今、世界的に広がっている「Apple Pay」をご存知ですか?
「Apple Pay」とは、Apple社が提供している新しい決済サービスのことで、「モバイルウォレット」の一つです。
iPhone6やiPhone6 Plusなどでクレジットカード情報を登録しておくだけで、ワンタッチで手軽にネットや実店舗で決済ができます。
2014年10月から運用開始されており、米国、英国、中国などではすでに運用されていますが、日本でもそろそろ今年2016年中には導入されることが予想されています。
そこで、今さら聞けないモバイルウォレットについての基本を再確認しておきましょう。
そして、Apple Pay以外のモバイルウォレットや今後の展望についても見ていきます。
1. モバイルウォレットとは?
「モバイルウォレット」とは、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末に、クレジットカードやポイントカード、身分証などの情報を電子データとして取り込み、まるで財布のように、専用機器のある店舗で決済できるもの。今、世界で普及の一途を辿っているといわれています。
しかし、日本人にとってはすでにNTTドコモの「おサイフケータイ」の存在があるため、「どこが新しいの?」と感じるかもしれません。
今、世界で注目を集めている理由は、2014年にApple社が「Apple Pay」をリリースしたことにあります。
そもそも、モバイルウォレットの利点は、これまで財布や定期券入れなどにバラバラに入っていたクレジットカードや定期、SUICAなどが一つにまとめられていること。
手軽かつスピーディーに決済ができることが一番の強みといえます。ただし、懸念点としてネット上や紛失時におけるセキュリティ関連が残されています。
2. Apple Payの台頭
Apple Payの登場により、モバイルウォレットは今、世界的に活発に使われるようになりました。
先刻、2016年2月には中国の決済サービス「銀聯(China UnionPay)」と提携し、Apple Payが中国でサービス開始したところです。
2014年10月にアメリカで提供開始した後、イギリス、カナダ、オーストラリアへとその提供先を広げています。
とはいえ、クレジットカードは国際サービスであることもあり、クレジットカードが使える地域では提供地域以外でも利用が可能ということになります。
日本でも、一部の店舗ではApple Payで支払いができますが、今年2016年にはいよいよ本格的に導入されることが各所で予想されています。
3. その他のモバイルウォレット
モバイルウォレットには、Apple Payの他にも、次のようなものがすでに存在しています。
2015年9月に米国で提供スタートしたGoogleによるモバイル決済サービス。
Visa、MasterCard、American Express、Discoverの4大カード会社が対応しており、基本的にはApple Payとできることは変わらず、NFCという近距離無線通信を利用して、店舗では専用の読み取り機にかざすだけで、決済が完了します。
こちらも米国で提供されているモバイル決済サービス。
無料アプリをスマートフォンにダウンロードした後、銀行口座とデビットカード、クレジットカードの情報を登録することで、金銭の送受信が可能になります。
友人や知人をリストに登録しておき、即座に送金と受金ができるのが特徴で、SNSツールでもあります。
他にも数々のモバイルウォレットが登場しています。
例えば、磁気ストライプ方式のカード支払いがスマートフォンでできる「LoopPay」や、HyperKeyというカード情報を記憶しておくためにスティック状のデバイスを、スマホの裏面に貼りつけて支払いができる「HYPR-3」などがあります
4. モバイルウォレットの未来
モバイルウォレットは、リアルとの連携も考えられています。いわゆる、「オムニチャネル(O2O=Online to Offline)」です。
お客さんがクレジットカード情報を登録しておき、あらかじめ注文から決済までスマートフォン上で完結させることができることで、人気飲食店などでは長い行列で待たされることなく、スムーズに商品を受け取れるといったオーダーシステムも登場しています。
また、モバイルウォレットが普及すれば、将来的には従来のクレジットカードは存在自体、不要になり、クレジットカード会社は、支払いを立て替えるだけの存在になるといった未来も、決して非現実的な話ではないでしょう。
モバイルウォレット市場が今、世界的に盛り上がっている背景には「Apple Pay」の普及にあります。2016年は日本でも本格的に導入される見通しです。
その手軽さや決済のスピーディーさから、今後ますます普及が進み、オンラインとリアル店舗との連携が進んだり、クレジットカードそのものが無くなったりする未来が、近いうちにやってくるでしょう。
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