どうしてネットショップの売上が上がらないのか原因がよく分からないままに諦めたり、がむしゃらな対応をしたりしていませんか?
まずは「売上」を因数分解して、ネットショップの課題を見つけ出してみましょう。
売上アップは永遠の課題?
ネットショップ構築、運営のお手伝いをしているとお客様からよく相談を受ける内容があります。
それは
売上を上げるためにはどうしたら良いか?
です。
ネットショップの売上として全く売れていない訳ではないんですが、お客様の売上目標額を下回っているということで一緒に悩んだり、提案してみたり…
この、「売上が上がらないんだけど?」という質問内容は多分ネットショップのみならず、販売業を営んでいる会社全てに当てはまる永遠の課題なのではないでしょうか?
売上を上げる為に日々営業活動を行っているわけですから、それでも「売れない」となると、
- そのサービス(商品自体)の需要がそもそも無い?
- 市場はあるんだけどシェアが無い?
- 営業活動を行なっているけど、そのアプローチ方法が間違っているのでは?
といった理由が考えられます。
※「利益を出す」と「売上を作る」は似て非なるものなのでご注意ください。
(「利益」=「売上」-「費用」です。)
この記事では「売上を作る」にフォーカスして、課題を見つけてみたいと思います。
売上を分解して数式にしてみましょう
毎日発生する「売上」は以下のような数式で表すことができます。
「売上」=「購入者数」×「客単価」
今度は、この「購入者数」「客単価」にフォーカスしてみましょう。
「購入者数」とは、ネットショップで購入した方がその期間でどのくらいの人数いたのか?を指します。
また「購入者」は次のように因数分解できます。
「購入者」=「アクセス数」×「転換率(コンバージョン率)」
「アクセス数」はネットショップに訪れたユーザーの数です。
「転換率(コンバージョン率)」は、訪れたユーザーがどのくらいの割合で購入しているか?を表す数値です。なので、
「転換率(コンバージョン率)」=「購入者数」÷「アクセス数」
となります。
「客単価」とは、購入者一人あたりの購入額平均を指します。
数式にすると
「客単価」=「商品単価」×「平均注文点数」
となります。
なんか数式ばっかりになってしまったのでまとめると
「売上」=「アクセス数」×「転換率(コンバージョン率)」×「商品単価」×「平均注文数」
となります。
わかりやすく表にすると以下のようになります。
ということは、「売上がなぜ上がらないのか?」を探るには、上の数式に出てきた
- アクセス数
- 転換率(コンバージョン率)
- 客単価
を見直すことで問題点が分かりそうです。
これらの要素のどれが、売上アップの問題点となっているのか実際に探してみましょう。
実際のネットショップデータに照らし合わせて問題点を探す
例えば、このネットショップで扱っている以下の2商品について考察してみましょう。
客観的に見た場合、商品Bはアクセス数・販売数ともに商品Aを圧倒しています。
月間売上についても商品Bは25,000円となっており、商品Aの12,750円に対しても上回っています。
ところが、先程説明した式に当てはめてみると、転換率(コンバージョン率)はというと
商品A: 月間15個販売 ÷ 200アクセス =7.5%
商品B: 月間50個販売 ÷ 1000アクセス=5.0%
となります。
もし商品Aのアクセスが商品Bと同じ1000アクセスになったと仮定した場合、
商品A: 1000アクセス × 7.5% × 850円 = 63,750円
となり、商品Bの月間金額を上回るということになります。
このことからも分かるように商品Aの課題は「アクセスが少ない」ことです。「転換率(コンバージョン率)が高い」という利点があるので商品」リスティング広告やSEO対策などのアクセスアップの施策をうって売上アップを狙いましょう。
商品Bについては既に人気の商品ということもありアクセスは十分にあります。あとは現状の5.0%の転換率(コンバージョン率)をいかに伸ばしていくか?が鍵となります。
商品Aと同じ7.5%まで向上させた場合は、
商品B: 1000アクセス × 7.5% × 500円 = 37,500円
となり、現状よりも12,500円のプラスが見込めます。
商品Bのように「アクセスはあるが転換率(コンバージョン率)が低い」ことが課題になっている場合は商品ページの見直しや販売方法などで転換率向上の施策が求められます。
「売上があがらない」その理由まとめ
商品の転換率(コンバージョン率)やアクセス数を知ることで、課題が浮き彫りとなり、スピーディに対応できます。
「売上が上がらない」と悩んでいるショップオーナー様は売上を眺めるだけではなく一度、GoogleAnalyticsなどのアクセス解析ツールを用いて、転換率(コンバージョン率)やアクセス数といった他の数値も絡めて考えてみませんか?
意外なデータが見つかるかもしれません。
以上、売上の因数分解から紐解くネットショップの課題の見つけ方でした。
ライタープロフィール
-
株式会社アラタナ 取締役
山本 稔(やまもと みのる)
1978年(昭和53年)2月5日
2008年 リクルートにて営業に従事。
リクルート在籍時代には通期MVPを受賞するなど営業実績を残す
2010年 株式会社アラタナに入社。取締役就任。
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