ネットショップのコンバージョン率アップ

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CVR_UP
今回の記事は、ネットショップの売上を向上させるために必須となる「コンバージョン率(CVR)アップ」について考えましょう。

ネットショップの売上を向上させるために「ネットショップへのアクセス数をいかにアップしていくのか?」についてネットショップオーナーは注力しがちです。

SEO対策や広告などでアクセス数(ユーザー)をアップさせてネットショップまで誘導できても、最終目的である商品購入まで結びつけることが出来なければ、売上アップは期待できません。
コンバージョンアップのために施策も同時にうっていく、ネットショップの課題次第ではアクセス数アップよりもコンバージョン率アップにより注力するべき場合もあります。
コンバージョン率をアップすれば、現状のアクセス数がアップしなくても売上向上が期待できます。

ネットショップの売上構成要素について以前、記事にさせていただいたいるのでそちらも、ご参考にしていただけますと幸いです。
ざっくりネットショップ売上の構成要素について言うと売上は以下の様な図で成り立っています。
売上分解表

今回はこの「コンバージョン率」部分をアップさせることで最終的にネットショップの売上アップを狙っていきましょう。

売上分解表_コンバージョン

 

コンバージョン率がアップした際の売上アップはどうなのか

ネットショップのコンバージョン率アップと売上アップをいまいち結び付けられていない方、いらっしゃいませんか?

例えば、

  • サイトに訪れたユーザーが1,000人
  • 購入者数(購入件数)が20件

の場合、20件÷1,000人=0.02となり
このネットショップのコンバージョン率は2.0%となります。うん、良い数値です。
ところで、ネットショップのコンバージョン率の平均が一般的に2%前後と言われていたりしますが、ネットショップのコンバージョン率平均値というものはなかなか算出しづらいのが現状です。
例えば扱っている商材がオフィス用品のようなBtoB商材なのか、食品やアパレルなどのBtoC商材なのかで平均も違ってきます。

さて、このコンバージョン率がアップしたときの売上の変化なのですが、

コンバージョン率2.0%のネットショップが、仮にコンバージョン率3.0%まで向上した場合、そのネットショップの売上は50%アップします。

いかがでしょう?

なんとしてもコンバージョン率アップしたくなってきませんか?
では、さっそくどのようなコンバージョン率アップ案があるかご紹介しますね。

ユーザー目線が重要

コンバージョン率アップに取り組むということは、「1度やればもう大丈夫!」ということはなく、効果検証を繰り返しながら、継続的に施策をうっていく必要があります。(いわゆるPDCAですね)

実際に「何をどう改善すれば良いのか?」ですが、ここで重要なポイントは「自分がこのネットショップに訪れたユーザーだった場合」を想定することです。
いわゆる「ユーザー目線」と呼ばれるものですね。非常に大事な要素です。

例えば、

「自分がユーザーだったら、このバナーは気づきにくいなー」
「寸法がわからないから、説明ページが欲しいなー」
「この商品のおすすめコーディネートが見れる一覧ページがあればいいのになー」

などが感じることができるかどうか?ですね。

これが出来ないと、「単なる自分の好みで出来上がったネットショップ」となってしまい、「ユーザー目線」が取り入れられていないわかりづらいネットショップとなってしまいます。
当然、そのようなネットショップではコンバージョン率も低くなりがちで、一度訪れてくれたユーザーが再訪問してくれる可能性も低くなってしまいます。

そうならないように、「注意するポイント」を挙げてみました。
みなさんのネットショップは大丈夫かどうかチェックしてみて下さい。

コンバージョン率を改善するポイント

  • ネットショップを見て、改善ポイントについてディスカッションをしてみる。

これがまずスタートです。
できればスタッフ全員で「ちょっとココ気になるな」「これ足りてないんじゃない?」など、各々のユーザー目線での改善ポイントを洗い出して、検証項目のリストアップを行いましょうj。
あくまでも「効果検証を繰り返しながら、継続的に施策をうっていく必要がある」ので、いろんな意見を取り入れて検証してみる事が非常に重要です。

  • 直帰率・離脱率の高いページの改善をしてみる

無償のアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」では、アクセスのあったページの直帰率・離脱率を知ることができます。
直帰率・離脱率が高いページというものは、ユーザーが求めている情報とは異なる、もしくはその情報が無い可能性があります。

-----改善例-------------------------

  • 売り切れ商品の商品ページ

→次回入荷時期を記載
→入荷予定の無い売り切れの場合は、その旨記載し、類似商品をオススメ商品に登録し導線を作る
→デフォルトの「お問い合せボタン」の表示ではなく、「予約販売ボタン」を設置(要カスタマイズ)

  • 画像エラーの商品ページ

画像エラーはきちんと修正しましょう。
商品ページの画像はメイン画像以外にも使用風景をイメージできるような画像掲載が望ましいです。
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購入意思が強いユーザーほど、「すぐに買えない 」「商品情報が少ない」サイトは購入対象からはずされてしまいますので、実際にそのページにアクセスしてみて、「なぜ直帰するユーザーが多いのか?」を考えてみましょう。

  • 魅力のあるコンテンツを充実させる。

ユーザーにとって、「ワクワクする」「興味のある」「必要とされる」コンテンツが充実しているかどうか確認してみましょう。
今、このカリキュラムを見ているあなたは運営中のネットショップのことについて熟知していることと思います。
でも、今現状ネットショップに訪れているユーザーの中には、

  • 商品の買い方がわからないユーザー
  • 服のサイズがわからないユーザー
  • 自分のクレジットカードが使えるかどうかわからないユーザー
  • 目的のブランドを扱っているかどうかわからないユーザー
  • このネットショップが誕生日プレゼント用にラッピング してくるかどうかわからないユーザー
  • 探している商品が「30%OFFセール」コーナーにあることを知らないユーザー

悩む女性

がいるかも知れません。

そういったユーザーに対してのページの作成や、TOPページなどわかりやすい位置にバナーなどを設置して誘導出来るようにしましょう。
ただし、ユーザーがアクセスしてくる最初の入り口ページがTOPページとは限りません。
商品ページや一覧ページなどのヘッダー、サイドナビ、フッター部分にもわかりやすい誘導を心がけてみて下さい。

  • 販売商品の訴求方法を見なおしてみる

一般的な商品ページの構成だと、

  • 商品名
  • 商品説明
  • 商品画像 

がメインとなります。

<商品名>
取扱商品名は正確に記入しましょう。メーカー名、もし品番・型番があればそれも明記したほうが良いです。
SEO対策にもなりますし、ユーザーがサイト内検索した際にも有効です。

<商品説明>
商品の説明はもちろん、想いや商品素材のこだわりなど詳細を記載しましょう。
特に利用シーンなどをイメージさせる説明文でユーザーに訴求すると効果的です。

<商品画像>
この部分については、「商品写真」と「イメージ写真」の掲載が効果的です。
商品の内容が分かる画像、正面や横からのカット、またディテール部分のアップ画像などの「商品写真」。
モデルが着用している画像や、その商品を利用している画像が「イメージ写真」です。
バッグであれば、 中身が入っている画像やモデルさんが肩から掛けている画像ですね。
商品ページでは、いかに「ユーザーにその商品を使っているシーンをイメージさせることが出来るか?」 が重要です。
間違っても、「同じ言い回しを数ページに渡って使用する」なんて事のないようにして下さい。
商品のイメージ

  • ユーザビリティ

「ユーザビリティ」とは使いやすさという意味です。ネットショップに置き換えると、「いかにユーザーが目的の商品にストレス無くたどり着ける事が出来るか?」になります。
ユーザーは3秒間で次の行動(アクション)をおおよそ決定すると言われています。
「目的のブランドやカテゴリが見つからない」
「自宅までの送料を知りたいがどこを見れば良いのか分からない」
「サイトの画像がなかなか表示されない」
など、ユーザーにストレスを与えるネットショップになっていないかチェックしておきましょう。

PDCAサイクルで徐々にコンバージョン率アップ&売上アップ

今回紹介した「ネットショップのコンバージョン率を上げるポイント」は、あくまでも一例です。
日々の業務の中で、またスタッフ間でディスカッションしていくことで、様々な課題、問題点が出てくると思います。その部分はどんどん改善にチャレンジしてみて下さい。
何度も申し上げているとおり、コンバージョン率アップは、効果検証を繰り返しながら、継続的に施策をうっていく必要があります。
PDCAサイクルを回しながら、効果のある改善策を見つけ継続的に取り組むことが大事です。
PDCAサイクル

  • P(計画:Plan):まずはどのような部分を改善させるべきか?優先順位を設けてスケジュール立てて見ましょう
  • D(実行:Do):改善を実行します。ここでは間違いなのか?正解なのか?を判断せず取り組みましょう。
  • C(評価:Check):ある一定期間をおいてその改善した部分がどういった結果を残したか評価してみましょう。
  • A(改善:Action):評価結果に基づいて、「じゃあこうしよう」といった改善を行なってみましょう。

売上アップにつながるコンバージョン(CVR)アップを目指そうのまとめ

こつこつと改善を積み重ねることが、コンバージョン率をアップする近道です。
取り組んでみると分かるのですが、コンバージョン率を0.1%アップさせることはとても難しく根気を求められます。でも諦めないで下さい!
ポイントを抑えつつ、PDCAサイクルを続けていけば、その先には、きっとユーザーで賑わうネットショップになっていること間違いありません。

ライタープロフィール

山本 稔
株式会社アラタナ 取締役
山本 稔(やまもと みのる)

1978年(昭和53年)2月5日
2008年 リクルートにて営業に従事。
リクルート在籍時代には通期MVPを受賞するなど営業実績を残す
2010年 株式会社アラタナに入社。取締役就任。