OWNER’S VOICE VOL.002 – Simpier

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クロスボーダー・モバイルソリューション事業を手がける株式会社テレコムスクエア様が、SIM専門サイト「Simpier」をEC-CUBEを利用しリニューアルをされました。

リニューアルの経緯やコロナ禍の影響などをプロジェクトの推進責任者であるコーポレートマーケティング部門・マーケティングGマネージャーの佐々木さんにお話をお伺いしました。

まず、貴社の事業について教えてください。

世界を旅する人々に対して、モバイル通信サービスを通じ「安心・便利・楽しさ」を提供しております。通信事業においては、国内外の携帯電話・モバイルWi-Fiルーターのレンタル、SIMカードの販売等を展開しており、国内外への旅行・出張時の必需品として、主にビジネスユーザーの方々から多くのご支持をいただいております。また最近では、独自のARナビゲーション機能を登載した「PinnAR(ピナー)」というアプリを開発し、新規事業として海外でも多くのお客様にサービスをご利用いただいております。

SIM専門店「Simpier」を始めた経緯を教えてください。

元々はレンタルの事業だったため、システムや物流拠点を持っていましたが、物販は持っていませんでした。旅をする人にレンタルだけではなく物理的な物も提供していきたかったということと、今後モバイル通信の選択肢が変化していく事を予想していたので、物理的な物販サイトととして主にSIMカードの販売を始めました。

新商品のeSIM「Wi-Ho!eSIM」について教えてください。

現在のモバイル通信端末には、通信事業者が発行するSIMカードという小型のICカードが搭載されており、各モバイル通信端末はこのカードを通じてその通信事業者の回線網にアクセスしています。
そのため、通信事業者の切り替えのたびにカードの差し替えが必要です。また、カード脱着時の毀損や紛失などのリスクもあります。
eSIM(embedded Subscriber Identity Module)とは、モバイル携帯端末の本体にあらかじめ組み込まれたハードウェアで、モバイル通信回線情報を読み込む機能を持っています。具体的には、モバイル携帯端末に内蔵されたこのeSIMが、RSP(Remote SIM Provisioning)と呼ばれる遠隔プロセスによってデータ通信回線のプロファイルをユーザーの意図に従ってダウンロードし、その通信回線と接続するというものです。このeSIMによるRSPを使えば、通信回線の契約から回線開通そして利用開始までの手続きの全てが遠隔・デジタルで完了でき、ショップでの手続きやSIMカードの購入といった手間が不要となります。 このeSIM技術は、これまでIoT分野におけるデータ通信に広く活用されてきましたが、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル等に内蔵され始めており、コンシューマーによる利用が徐々に普及し始めています。 特に海外旅行や海外出張の折にeSIM内蔵のスマートフォンを携行すれば、渡航現地のデータ回線をRSPで読み込んで、すぐに契約完了・利用開始といった手続きが可能になります。ですから、SIMロックフリーの端末を携行して現地のSIMカードを購入のうえ必要の都度入れ替える、またはモバイルWi-Fiルーターを常時携行するといった手間や費用が軽減されます。通信料金についても国際データローミングより遥かに安価で利用できます。 当社は、今後のコンシューマーモバイル通信市場におけるデータ通信活用のさらなる高度化や需要の多様化に対応するとともに、With/Afterコロナにおける海外渡航回復時の国内と国外とを問わないシームレスなデータ通信ソリューションとして、いち早くeSIMサービスの提供を開始いたしました。

使い方のポイント、ご利用シーンを教えてください。

普通は携帯電話に電話番号は一個しかないのですが、eSIMは仕事用・プライベート用、または日本用・海外用など一つの端末に何回線も入れられます。
例えば電話番号だけキャリアで契約をして、データプランは全てeSIMで使う分だけ少しずつ買うこともできます。もしくはキャリアのデータプランを使い切ってしまって、あと1ギガだけほしい時にちょい足しすることもできるので、メインの回線ではなく予備回線としても使用できます。
私はiPadも持っていますが、外ではほとんど使わないためeSIMだけでも使えます。2台持ちの人に便利です。ただし、ローミングなのでキャリアメールやアプリなど使えない場合もあります。

新型コロナウィルスの影響はありましたか?

アウトバウンドもインバウンドも減っていますので、やはり影響を受けています。
現在、海外出張等の国を跨ぐ人の往来は極めて限定的はありますが、一方で国内でのリモートワークやオンライン学習等の普及により、これまで顕在化していなかった需要が高まってきています。

新型コロナウィルス収束後もこの変化が日常化すると言われていますが、今後の展望について教えてください。

現状海外需要はわずかですが、コロナ収束後は海外出張と観光旅行は戻ってくると思いますし、今までの自粛の反動で盛り上がることもあるので、プラスもマイナスも考えています。
現在は国内でテレワークなど遠隔で仕事する人に必要とされており、海外から国内へと需要の移り変わりを感じています。今回のパンデミックで新しく生まれた国内の通信需要は残ると思います。結果的にはモバイル通信の需要は底上げされ、徐々にポテンシャルを戻していき、副産物としてテレワーク普及などで様々な需要が出てくると思います。
そこで面白いのは、eSIMは非対面で全て完結できるためAfterコロナにマッチしていることです。非対面での物の販売、つまり物理的ではなく論理的な商品の販売がソーシャルディスタンスにマッチしています。eSIMを搭載した端末は急速に増え、携帯端末にSIMカードを差し込むスロットが廃止され、最終的には全てeSIMになると思います。確実に必要になってきます。
Afterコロナと端末のトレンドが同時進行で広がり、尚且つ有名企業もeSIMの商品を発表しています。我々としては大手企業は恐ろしいですが、かえって知名度を上げてくれるため、ライバルではありますが追い風にもなります。
eSIMは未だ知名度が低いので、今後の展望は私達がお客様へeSIMについての説明を行い、認知度を上げていくことを考えています。

サイトリニューアルから1ヶ月半ほど経ちますが、使い勝手などはいかがですか?

EC-CUBE自体は、主にベーシックな機能を使っていますが、管理サイドとしては必要十分に使用できています。

リニューアルするにあたりこだわった部分はありますか?

お客様側からして考えると、シンプルで操作が簡単であることです。
eSIMの特徴であるデータの残高がきちんと見られることや追加課金ができることはマストで入れました。
基本的にこだわったのは、最初に色々な機能をつけずにきっちり動くことです。また、運営時の手間を考えると、特集記事の更新などに専門的なコーディングが必要ないことは重要で、スプレッドワークスさんのCMSプラグインを導入し解決しました。
今後は、通信利用残高が減った際に自動課金する機能などを実装したいと思っております。


これまでショッピングカートASPを使われていましたが、リニューアルに際しなぜEC-CUBEを選択されたのでしょうか?

ショッピングカートASPは手軽でしたが自由度が低くeSIMの対応が難しいと判断し、カスタマイズが可能なEC-CUBEを選択いたしました。

たしかに、eSIMのコード発行やアクティベーションなどは独自でシステムを開発しないと実現できませんからね。

EC-CUBEは取引先でも実績があり、また制作会社を選択するにあたり開発実績がある会社も多くありました。長く運用するためには知名度が高く実績がある方が安心して運用できます。

Simpier リニューアルサイトの詳細

Simpier

制作・開発: スプレッドワークス

ライタープロフィール

スプレッドワークス広報担当
インターネット上で展開するビジネス戦略に企画から運用までトータルに関わります。
ECサイト構築、動画配信システムなど、様々な業種、規模のWebシステム開発実績があり、高い提案力、技術力でお客様のビジネス要件に柔軟に対応いたします。