みんなが気になる?自社ECサイトに適した決済方法の選び方

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決済方法の選び方イメージ

ECCUBEの仕事に携わってそろそろ10年のWEBディレクタースガワラです。

実は最近気になって眠れないことがあります。
そうです。皆さんも気になっているはずの決済方法の選び方についてです…気になりますよね?

はい。

ちなみに決済方法について十分に検討して選んでいるよ!という方は読まなくても大丈夫です。
これからECサイトの立ち上げをされる方やこれまで決済方法について深く考えたことがなかった、といった方に読んで頂ければと思います。

実は10年の節目を迎えるにあたり自身へのご褒美として、
コーヒーをいれる際に使用するスケールという道具を購入しようとあるサイトで買い物をしようとしていたら…使いたい決済方法がない!なんてことが最近ありました。

そのサイトでは、クレジットカード、コンビニ前払い、代金引換の決済方法が利用可能となっていました。
え?クレジットカードあるじゃないか、持ってないの?…そうですよね、安心してください。
もちろんクレジットカードは持ってます。

ただ、この時はベッドに入って寝る寸前で、今更財布のある書斎までいくのは面倒だし、手数料かけたくないし、早く商品欲しいし…Amazonpayとかあったらな・・・、
ということで、別サイトで購入にいたりました。

私の場合は、最初に購入しようとしていたサイトはAmazon payが導入されていなかったばかりにせっかく購入しようとしていた見込客を逃してしまったわけです。

こんな例は稀かもしれませんが、実際に自分が使いたい決済方法がなければ別サイトで購入する、
というユーザーが60%以上というデータも出ているくらい導入する決済方法を選ぶということは大事なことなんです。

この10年で色々なサイトの立ち上げを経験してきましたが、どうしてもデザインや機能をどうするか?という部分に対して目が行きがちで、決済方法は何を選んだらよいのかをしっかり検討して決められていた運営者様は少なく、とりあえずクレジットカード決済、コンビニ決済、代引引換あれば、というパターンが多かったです。

たしかに、クレジットカード決済、コンビニ決済、代金引換が使えればある程度のユーザーはカバーできますが、例えば10代の学生さんで近くにコンビニがなかったら代引きしか選択肢がなくなってしまいます。
そうすると受取のタイミングで自宅にいないといけなかったりと面倒で・・・
キャリア決済があったら購入したのにな…と機会を逃してしまうかもしれません。

そういったことがないように決済方法を選ぶ際のポイントをまとめましたので参考にして頂ければと思います。

1.自社ECサイトのユーザーに適した決済方法を選ぶ
ユーザーが利用する決済方法ですが年齢や性別によって様々な傾向があります。
例えば、幅広い年代で利用されるクレジットカード決済ですが、10代の男性においては利用割合が30%ほどでコンビニ決済と同じ程度の利用割合です。
また、50代・60代以上のユーザーにおいては女性のコンビニ利用割合が男性に比べて倍以上だったりします。
自社ECサイトのユーザーをしっかりと把握し、相性の良い決済方法を選ぶようにしましょう。

この調査結果は、SBペイメントサービスのホームページで詳しく紹介されていますので参考にしてみてください。
https://www.sbpayment.jp/news/press/2021/20210205_000877/

ちなみに自社ECサイトのユーザー層を正確に把握できていないとここで躓きます。
感覚ではなく数字で把握することを強く強くおすすめします。

2.自社ECサイトの商材や販売形態に適した決済方法を選ぶ
取り扱っている商材が高額だったり、合計金額が高額となるようなサイトであるにも関わらず、利用できる決済方法が代金引換やキャリア決済のみとなると利用上限にひっかかり購入ができなかったり、手元に多額の現金を用意しておかなくてはならず、もし手元に現金がなく受取りができない場合、最悪返品扱いとなってしまうことも考えられます。
取り扱う商材や注文金額も頭に入れて決済方法を選ぶようにしましょう。

また、販売形態も意識しておきたいポイントです。
例えば、定期購入を導入している場合は定期的に支払手続きや入金確認が発生しないクレジットカード決済やキャリア決済を採用したいところです。

3.コスト面から決済方法を選ぶ
便利な決済が無料で使える、なんておいしい話は残念ながらなかなかありません。。
クレジットカード決済であれば、システム利用料、手数料、トランザクション費用などランニングコストが当然の如く発生します。
キャリア決済やID決済も手数料が発生しますので注意が必要です。
特にキャリア決済の手数料はクレジットカード決済の手数料に比べると便利である分、高いです。

また、意外な落とし穴で利用するカートによっては、申し込みや審査だけでは利用できず、カートと決済システムを連携させるカスタマイズが必要になり開発費用がかかる場合があります。
こちらかなり高額で私の経験上では、数十万はかかりましたね。
まだ、これからカートを選ぶところ!という方は、先に導入したい決済方法を決めてからカートを決めてもよいかもしれません。
といった感じで、便利な決済方法にはそれなりのコストが発生します。
立ち上げ当初はなるべく少ないコストでとお考えの運営者様がほとんどかと思いますので
是非コスト面も考慮して決済方法を選ぶようにしましょう。

ここまで色々と話してきましたが、肝心なことを忘れていました。。
各決済方法のメリット・デメリットについてです。
これを知らないと検討できませんね。失礼しました。
ということで、主な決済方法6つのメリット・デメリットを思いつくままにまとめました。

1.クレジットカード決済
▼メリット
・カード情報を入力するだけで決済が行える手軽さ
・注文時に決済を行えるため未払いのリスクが少ない
・いつどの位の入金があるかを把握しやすく資金計画がたてやすい
・ユーザーの利用率が最も高い

▼デメリット
・決済手数料、システム利用料、トランザクション費用などのランニングコストが発生する
・カード会社の審査が必要。1ヶ月ほどかかるため、リリーススケジュールから逆算して余裕を持っての申請が必要
・不正利用によるトランザクション費用、チャージバックが発生する可能性がある

2.コンビニ決済
▼メリット
・クレジットカードを所有できない若年層でも利用できる
・前払いの場合、未払いのリスクを防ぐことができる
・コンビニの営業時間中であればいつでも支払が可能なため購入者側にとって便利

▼デメリット
・前払いの場合、入金確認が必要なため受注から発送まで時間がかかる
・後払いの場合、未払いのリスクが高まる
・コンビニが近場にないユーザーは利用しにくい
・支払いのためにコンビニへ行ってもらう必要がある

3.代金引換
▼メリット
・商品引き渡し時に代金を受け取るため、注文後すぐに商品発送が可能
・支払いのためにコンビニや銀行などへ行く必要がない

▼デメリット
・手数料が発生する(条件による)
・受け取り拒否による運営者側のコスト(代引き手数料、送料)負担のリスクがある
・利用上限があり、高額な商品には不向き

4.ID決済(Amazonpay、楽天payなど)
▼メリット
・既にアカウントを持っている場合、個人情報を入力する必要がないため購入完了までの手間が少ない

▼デメリット
・決済手数料が発生する
・独自サイトの場合、導入時にサイト側の改修が必要となり開発費用がかかる場合がある

5.キャリア決済
▼メリット
・各キャリアが商品代金を立て替えることで、未回収のリスクが減る
・クレジットカードを所有できない若年層でも利用できる

▼デメリット
・クレジットカード決済に比べて決済手数料が高い
・キャリア毎に決済時のフローが異なるため、個別の対応が必要となり導入時の手間がかかる
・利用上限額が設定されている場合があり、高額商品を扱うサイトには不向き
・導入時の審査基準が厳しく個人事業主は契約不可

6.銀行振込
▼メリット
・前払いの場合、未払いのリスクを防ぐことができる
・昔からある決済方法で一定のニースがある

▼デメリット
・店頭振込の場合、銀行の営業時間中にしか支払いができない
・購入者側に手数料の負担がかかってしまう
・入金確認作業の手間がかかる

いかがでしたでしょうか?
結果として、クレジットカード決済、コンビニ決済、代金引換、の決済方法で十分!となる運営者様もいらっしゃるかもしれませんが、選ぶ際のポイントや各決済方法の特徴を知らずに上記3種の決済方法に落ち着くのと、知ったうえで落ち着くのでは今後の運用に大きな差が出てくると思います。
後者の方はサイトが成長しサイトを利用する顧客層に変化があった場合に最適な決済方法の導入がスムーズに進められるのではないかと思います。

また、決済システムを安心して導入するためにも(決済システム導入如何に関わらずですが)、セキュリティ対策は必須です。
是非EC-CUBEのセキュリティ対策ページをご確認いただき、より安心して決済の導入、ECの運営をなさってください。

少しでもこの記事を読まれた方が導入する決済方法を検討する際の手助けになれば幸いです。
それでは。

ライタープロフィール

ボクブロック 広報担当
EC-CUBEプラチナパートナーのボクブロック。
EC-CUBEを利用したサイト構築をメインに保守や集客支援、企画、コンサルティングなど幅広く、また長期的にお客様のECパートナーとしてご一緒しております。

EC-CUBEカスタマイズのプロフェッショナル【EC救部隊】も絶賛稼働中。
http://ec-99.com/