こんにちは
EC-CUBEプラチナパートナーの株式会社アイディーエスなかむらです。
前回は、SEO対策のお話しをしましたが、
今回は「費用を掛けずにSEO以外に何かできることはないか?」についてご紹介したいと思います。
【まだまだ有効なメルマガ】
ネットショップも実店舗同様に構築しただけでは売上は上がらず、集客が求められます。
そんなこと理解はしているし、集客するためにはプロモーションが必要で、
広告を実施することが一番効果的なことは皆さま、ご存知だと思います。
しかし、多くのネットショップの場合、「集客のために広告が実施できない」というのが現状です。
なぜなら、
1クリックで10円~数百円程度が必要となり、仮に1クリックあたり50円だったとしても
20クリックされると広告費は1,000円掛かります。
20クリック=20人のサイト訪問者だとして、20人の訪問者全てが購入してくれるわけではありません。
CVR(コンバージョン率)=1%だとすると、最低100人の訪問者が必要となるため、
20クリックだと足りず、100クリック必要で、広告費は5,000円となります。
つまり、そのたった1人のお客さまに5,000円以上のものを購入してもらえなければ、収益が出ないことになります。
高額商材を扱っているネットショップであれば、まだ良いのですが、
5,000円以下の商材を扱っているネットショップの場合、現実的ではなくなります。
そのことが、
多くのネットショップの場合、「集客のために広告が実施できない」という結論に至る理由です。
(リスティング広告は、入札制のため、クリック単価は変動しますが、1クリックを50円というのはかなり優秀なネットショップです)
費用を掛けずにSEO以外に何かできること
さて皆さまは、何を思い浮かべますか?・・・・
今回取り上げるのは、メルマガです。
「メルマガなんて終わった」
「メルマガなんて誰も読んでいない」
そのような声、皆さんも聞いたことがあると思います。
そのオワコンと言われるメルマガもかつては、
ネットショップの必須施策として広く活用されてきましたが、
スマートフォンとSNSの普及でメルマガから情報を取得しなくても,
リアルタイムにSNSから入手することが可能です。
そのため、メルマガ離れの状況が加速したと言われています。
確かに、以前のようにメルマガを配信しただけで集客が多く望める時代ではなくなりましたが、
オワコンとして切り捨ててしまって良いのでしょうか?
ある会社が実施した「メルマガに関する意識調査」では、SNS全盛の現時点でも、
まだまだ情報発信の手段としては、メールが有効という結果が出ています。
言われてみれば当然ですが、サイトやSNSなどのオウンドメディアはなくなることはありますが、
メールアドレスは基本なくなることはありませんし、twitterやFacebook等のSNSは、アカウント作成時にメールアドレスが必要となります。
やはりまだまだメールアドレスの必要性はなくなってはいません。
重要なことは、メルマガを単純に送るということではなく、質の高いメルマガが求められるということです。
「質の高いメルマガ=読む価値があると思わせることができるか?」
に尽きると思います。
そうです、「興味のない広告宣伝ばかりのもの」ではなく、お客さまと信頼関係を結ぶことに重点を置いたメルマガを作成することです。
関係性を作り上げること、この関係性をいつまでも維持するためにメルマガを活用するという視点で運用することです。
【読む価値があるメルマガとは】
- サイトやコンテンツが定期的に更新された際に送る定例的なもの
- お客さまが登録した特定の情報の更新や、商品の入荷のお知らせ
- 臨時のキャンペーンや、お客さまに告知しなければならない情報(お得な情報など)
基本は「送る意味のあるものを送る」ということ。
サイトの更新が義務的で、意味のない更新をしていれば、メルマガも当然意味がなくなります。
メルマガはお客さまのためになっているという前提が必要です。
配信が義務的になり、迷惑になるから頻度を抑えるべきという意見もありますが、それが理由にはならないはずです。
「掲載情報の更新」「キャンペーンの告知」「新商品の公開」という情報は、お客さまにお知らせしなければならないことです。
もしそれが迷惑であるのなら、サイトの更新情報自体に意味がないということになってしまいます。
メルマガで送って迷惑になることをサイトで行うこと自体が本来は問題です。
こちらを前提として、お客さまの興味がより高いものを、ある程度絞り込んで送ることが求められます。
お客さまが受け取るメルマガの選択肢が、カテゴリーやブランドなどの個別情報ばかりで、サイト全体の情報を受け取れないようでは、ネットショップとして考える「お客さまが興味を持つかもしれない情報」を送ることはできなくなってしまいます。
そして、どんなにお客さまに意味のあるメルマガでも、送ればある程度の割合でメルマガの購読は「解除されます。
それを踏まえ、解除に過敏になり過ぎないように、送るタイミング、内容を決定する必要があります。
【メルマガ配信のタイミングとは】
- 読まれやすい時間帯で配信する
- 問い合わせ対応可能時間内に配信する
読まれやすい時間帯で配信する
メルマガを送る時間帯は、すぐに届かないことも考慮したうえで、ターゲット特性を踏まえて、
- 通勤中 or 帰宅途中 or 帰宅後
- 午前中 or 午後
- 平日 or 週末
などサイトの更新とお客さまに最も効果のある時間帯を狙う必要があります。
また、ある程度の運用前の場合、全ての時間帯でテスト配信することが必要になります。
業者側の思い込みとお客さまの認識にずれがあることはよくあることです。
尚、現在は改善されていますが、大量のメールを一気に送るとプロバイダーやメールサービスがスパムメールと判断し、迷惑フォルダーに振り分けられてしまい、
そもそもメールが送られなくなれることもあるので、ご留意ください。
問い合わせ対応可能時間内に配信する
新企画やキャンペーン、人気商品などの情報をメルマガで送る場合は、可能な限りネットショップの問い合わせ受付時間の数時間前(最低でも1時間前)までには、メルマガが届き終わるように計画することが必要です。
情報送付後、何かあっても問い合わせができないということは、お客さまに対して大変失礼になるからです。
特性上、24時に新商品が公開され、それを望むお客様が多いこともありますが、送付先のセグメント定義や充分なテストの実施等、配慮が必要です。
【メルマガ配信で気を付けるべきこと】
当たり前に思えますが、メルマガに掲載されている情報やリンクが、サイト上で間違いなく公開されていることが重要です。
メルマガが届いたのでリンクをクリックしたら、リンク切れでしたというのでは、誰もメルマガを見なくなりますし、リンクをクリックしなくなります。ひいては、解除の嵐となります。
リンク切れの原因は、単純な不手際でリンク先が間違えているとか、準備ができていないといったこともありますが、メルマガを送付したときに、掲載のコンテンツが期間外ということが多いのです。
【メルマガの内容について】
内容については、以下の4つがポイントになります。
- メルマガの質
- 親和性
- 情報性
- 明確な行動喚起
メルマガの質
ただ一方的に送れば良いというわけでなく、「件名・送信元」に特に注意する必要があります。
お客さまは、件名で読むか読まないか判断するのが非常に多いですし、送信元は迷惑メールに振り分けられるか否かにも大きく影響してきます。
また、ほとんどのお客さまは、PCではなくスマホで見ることがほとんどですので、スマホでの見え方は非常に重要です。
件名に充分気を使い、文頭の書き出しに最大の労力を掛けて、開封していただけるように努めましょう。
親和性
メルマガというと、キャンペーン毎の自動的に配信や、誕生日の割引クーポンを添付して配信する機械的なイメージがあるかもしれません。
もちろん高機能なMAツールを用いて、シナリオ作成を行い、詳細なセグメント定義を基に、オートマチックなステップメールを実施することは可能です。
しかし、そのようなツールを導入可能な企業は一部に限られますし、導入できるようであれば、そもそも広告等のプロモーションを行えるはずです。
お客さまとつながることを意識した内容を定義して、書き手自身が楽しんで書くことを地道に続けていくことが、結果的にも良いものに結びつきます。
情報性
しっかりとした情報量かつ、情報自体も新鮮であることが必要です。
せっかくメルマガを開いていただいても使い古されたテンプレート感丸出しや、毎回同じキャンペーン告知が続いていたら、そのお客さまも取り逃がすことになりかねません。
そして、独自性を出すことに重きを置きましょう。
ここでしか買えないものが販売できるのが理想ですが、たとえそれが困難だとしてもお店自体の独自性(カラー)は何かしらあると思います。(それがなければネットショップを立ち上げてはいないはずです。)
明確な行動喚起
クーポンや実施キャンペーンの告知は当然ですが、占いやクイズといったエンタメ性も付け加えることが望まれます。
購買に結び付けるために、受け皿であるネットショップへの導線はしっかりと行いつつ、ただ購買促進のみのメルマガ=ただのチラシに陥らない工夫が求められます。
さいごに
メルマガの話題になると、「メルマガの時代は終わった」や、「一生懸命に書いても誰も読んでくれない」「開封率が悪い」というネガティブな意見をいただくことが多いです。
しかし、もう一度考えてみていただきたいです。
広告費が捻出できない場合、集客施策でまずはブログを書こうと考えませんか?
ネットショップにて、費用を掛けずに集客を行うにあたりブログ記載は有効ですが、ブログで効果を出すには、自然検索にて検索されやすいキーワードを調査し、自社の商品との親和性を加味するなど、綿密な設計が求められます。
また、ブログは公開するまではできますが、見込みも含めお客さまにダイレクトに届けることができません。
あくまで、お客さま自身がサイトに訪れ、ブログを発見することが必要です。
しかし、メールアドレスを取得していますので、お客さまに直接配信することが可能です。
この差は非常に大きいと思います。
集客に悩んでいるのなら、もう一度、メルマガについてきちんと向き合ってみませんか?
ライタープロフィール
-
EC-CUBEプラチナパートナーのアイディーエスは、100名規模のSIerで、オープン系Webシステムの請負開発を中心に、プロフェッショナルサービスとしてB2B ECシステムのパッケージ開発並びに導入支援、安心してシステムを使うための運用保守サービス、安価で手軽に開始できるオープンソースマネージドサービスの提供を行っています。
・サービスサイト https://ec-cuber.jp/
・お問い合わせ TEL:03-6386-3652/MAIL:[email protected]
ライターの他のEC記事を見る
- 売上アップ2022.02.04続けることは可能?真剣に向き合うSEO対策
- 売上アップ2022.01.19カゴ落ち対策のポイント10プラス番外編
- 売上アップ2021.12.09ECサイトにおけるページ改善のポイント10とリニューアル時のチェックポイント15
- 売上アップ2021.11.22ジャムの法則-適切な情報量が購買率を上げる!?