ネットショッピングでは、商品を注文してから手に取って使用するまでに様々な不安がつきまといます。本稿では消費者が感じるネットショッピングでの不安解消法の一つを紹介したいと思います。
まず、現状どれほどの消費者がインターネットショッピングを利用しているかを把握する必要があります。ですので、インターネットの利用率から見てみましょう。(図表1)

(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)
少々引用しているデータは古いものの、どの年齢層も約7割がインターネットショッピングを利用していることがわかります。要因としては、インターネットそのものの普及やECサイトの増加に伴い、ネットショッピングに対する敷居が下がったことが考えられます。

(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)
上記データを見てみると、ネットショッピングの利点がそのまま反映されています。特に「実店舗に出向かなくても買物ができるから」という部分に最もポイントが集まっています。(図表2)
しかし、最も大事なデータは以下にあります。(図表3)

(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)
こちらのデータは(図1)でネットショップを「利用しない」に選択した人を対象にアンケートを取った結果となります。
中でも注視したいのが「実店舗で実物を見たり触ったりして購入したいから」という点。
この理由の中に消費者の不安要素が詰まっていると考えます。
まず、実物が見れないという不安です。
商品詳細の文面やサイズ表記等は記載されていても、実物を見ないと本当に欲しかった商品かどうかはわかりません。
さらに、欲しい商品をネットショップで購入しようとなると、自分で対象商品についての詳細情報を入手する必要があります。
他にも、商品が届くまでの不安や、希望と異なった商品が届いた際の返品対応の可否など、時と場所を選ばず買い物ができるネットショッピングのメリットが、商品に対する不安要素で相殺されています。
ネットショップの運営者が、できる限りの商品情報を提供することはもちろんですが、商品情報の提供の仕方にも工夫が必要となります。
例えば、第三者の商品レビューを取り入れることです。
ショップ側の商品情報は購入者側にとって、商品の宣伝と捉えられてしまう可能性も大いにあります。同じ購入者の商品レビューがあれば商品に対する信頼度が上がります。特にユーザー目線でしっかりと書かれているレビューは、商品購入後の疑似体験がしやすく購入につながる可能性が高くなります。
Amazonや楽天、Yahooショッピングなどの現在の大手ECサイトでは、積極的にこのレビューを取り入れています。
しかし、レビューにも工夫が必要です。
それは、良質なレビューを集める工夫です。
良質なレビューとは先程挙げた商品購入後の疑似体験ができるレビューのことを指しますが、それとは逆に質の高くないレビューが存在します。「この商品購入してよかったです!!(評価5)」といったようなレビューです。このレビューでは購入者が求めている商品情報の+αの情報が記載されていないため、購入に繋がりにくいレビューとなります。
レビューを集めるには、レビューを書いてくれる購入者にメリットを与えることです。
簡単なのは、レビューを書いてくれた購入にポイントやクーポン等を付与することです。しかし、これだけでは質の高くないレビューを書いてもポイントを付与することになるので、レビューの記載を承認制にし、良質なレビューのみをピックアップできる体制を整えることが必要です。
今回は利用者が増えているネットショッピングにおいて、適切な商品情報の提供方法について考察しました。ネットショップの売り上げ向上は、いかにして顧客の不安要素をそぎ落とせるかという点にかかっています。
ぜひレビューを活用してお客様の不安を解消して、売り上げアップにつなげましょう!
ライタープロフィール

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EC-CUBEプラチナパートナーのアイディーエスは、100名規模のSIerで、オープン系Webシステムの請負開発を中心に、プロフェッショナルサービスとしてB2B ECシステムのパッケージ開発並びに導入支援、安心してシステムを使うための運用保守サービス、安価で手軽に開始できるオープンソースマネージドサービスの提供を行っています。
・サービスサイト https://ec-cuber.jp/
・お問い合わせ TEL:03-6386-3652/MAIL:sales_ec@ids.co.jp
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