EC-CUBEで既にECショップを運営されている、もしくはこれから運営を検討している方の多くは、「本店ショップ」としてそのECショップを位置付けてらっしゃると思います。
今回は、モールではなく本店ショップを運営しているからこそ、取り入れてもらいたい考え方や機能をご紹介したいと思います。
モール利用と本店ショップ利用ではユーザーの目的意識が違う
モールと本店ショップの大きな違いは何でしょうか?
その違いは数多くありますが、特徴的な違いの1つに、そもそも訪れるユーザーの目的が違うことをしっかり理解する必要があると考えています。
モールに訪れるユーザーの多くは、「買いたい商品を既に定めて」おり、その商品をいかに安く手に入れるか。もしくは、早く手に入れるかを重要視しているケースが多いと考えられます。
実際に私もモールで商品を購入する理由の殆どがこの2つです。
そのような状況下で、ユーザーがあなたのモール店から商品を購入したとしても、「あなたのお店」から商品を購入したと認識しているでしょうか?買った商品は覚えていても、お店のことは日が経つごとに忘れてしまっているのではないでしょうか。
今後も同じユーザーがモール内で商品を検索し、再度貴社のモール店へ訪れ、購入することは考えられますが、長期的な優良顧客としてのお付き合いは、なかなか難しい可能性があります。
では一方、本店ショップに訪れるきっかけは?
「実店舗を利用している」や「知り合いからの紹介されて」などのような、既に認識していて訪れるケースもありますが、ざっくりと気に入っている商品に関連する情報を調べていて、検索エンジンやSNS、その他情報サイトなどを経由して本店ショップにたどり着く。なども訪問導線の大きな1つだと考えています。
それらユーザーの特徴の1つが「まだ買いたい商品が定まってない」という部分です。
ある程度の欲しい商品の内容や購入目的、手に入れたい時期は決めていますが、このメーカーのこの商品とまでは定めていないユーザーです。
購入商品を特定していないユーザーに向けて、コンテンツを強化しよう
モールではなく、検索エンジンやSNSなどで商品情報を探している人は、購入する商品こそまだ特定してなくても、積極的に自らがそれら商品に関連する「使い方」「選び方」「こだわり」「メリット・デメリット」などの情報を探すアクティブユーザーです。
本店ショップの場合は、モールのように商品に関する情報の掲載範囲に制限がないので、商品の説明だけでなく、こだわりや想い、開発秘話などを思う存分掲載し、まだ「買いたい商品を定めていない」ユーザーが知りたい情報を提供することで、貴社がこだわっている内容や本当に見て欲しい情報とユーザーが触れ合える重要な機会が秘めています。
さらに、そのようなきっかけで訪れたユーザーが本店ショップの情報に触れることで理解・説得が進み、商品を購入することになれば、モールなどではできない貴店のファン作りの大きな第一歩となり、長期的な優良顧客としての関係を築くきっかけにもなり得ると考えています。
モールにある機能や仕組みは積極的に取り入れる
モールを利用する場合と、本店ショップに訪れる場合では、ユーザーの目的意識が違う。
また、本店ショップに訪れるきっかけとなるコンテンツ作りの重要性は先程の通りです。
次にご紹介するのは、モールでは使える機能や仕組みが本店ショップにはないことで、買い物をしない、離脱理由を防ぐために、ぜひ積極的に取り入れて頂きたい機能を2つご紹介したいと思います。
まず、1つ目はAmazon PayやRakuten Payなどモールで利用できる支払い方法を、本店ショップにも取り入れることです。
これまで購入したことのないショップ、それも誰もが知っている大手ECではない場合、ユーザーが購入時にまず心配する事として、セキュリティ面が考えられます。
その点、Amazon PayやRakuten Payを導入すれば、既にAmazonや楽天の会員であれば、貴社の本店ショップでそれらの会員情報でログインもしくは支払い方法を選択するだけで、それぞれのモールで登録しているクレジットカード情報で決済ができます。
初めて、貴社本店ショップで買い物をするユーザーも、貴社ショップで個人情報やクレジットカード情報を入力する必要が無いので、手間の軽減と安心感を持ってもらうことができます。
さらに、Amazon Payの場合はAmazon Payを利用して貴社サイトで購入する際に、貴社サイトの会員として登録もできるので、今後は直接、自社の会員としてアプローチすることも可能になります。
また、Rakuten Payでは楽天ポイントを貯めることも、利用することもできるので、ポイントを貯めているユーザーの離脱の軽減に効果的です。
2つ目は、商品のお届け先を自宅以外(コンビニエンスストア、宅急便センター、ロッカー)に指定できるサービスです。
実際に、Amazon・楽天・ZOZOTOWNなど大手モールでは商品のお届け先を自宅だけでない場所へ指定できるサービスが導入されています。
これは、ECを利用するユーザーのライフスタイルの変化に伴い、自宅だけがお届け先としてのニーズを満たすものではないことの現れだと考えております。
例えば、「週末に着たい服を確実に受け取りたいから会社の近くのコンビニへ届けて欲しい」や「妻へのサプライズプレゼントだから自宅ではなく近所の宅急便センターで受け取りたい」など、好きな時に好きな場所で受け取りたい。というニーズは高まってきております。
これまで、このような機能はモールでしか利用できませんでしたが、EC-CUBE向けプラグインとして先日リリースされております。
ヤマト運輸のEC自宅外受け取りプラグイン(EC-CUBE2系)
https://www.ec-cube.net/products/detail.php?product_id=1530
まとめ
モールと本店ショップでは、そもそも訪れるユーザーの目的意識が違うケースが考えられる。本店ショップに訪れるユーザーは、特定商品に限定していない、購入ニーズを持っている人が多い事。また、そのような人たちに信頼してもらえるコンテンツの重要性が非常に高まっていること。
さらに、貴社ショップで購入する意思を下げてしまう(離脱する)きっかけになるようなものは極力排除すること。特にモールでは当たり前に使えている機能が本店ショップだと使えないというものを無くす必要がある。
このような考えが、今後の本店ショップ運営のお役に立てればと思います。
ライタープロフィール
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EC-CUBEプラチナパートナーのボクブロック。
EC-CUBEを利用したサイト構築をメインに保守や集客支援、企画、コンサルティングなど幅広く、また長期的にお客様のECパートナーとしてご一緒しております。
EC-CUBEカスタマイズのプロフェッショナル【EC救部隊】も絶賛稼働中。
http://ec-99.com/
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