通常、Webデザインで配慮する点としては、
・ターゲット
・訴求ポイント
・更新性
・視認性
・導線
・キーワード
・ファーストビュー
・統一性
・デバイス
・操作性
など、とても多くの要素があり、サイト目的に応じて優先順位を決めて設計します。
ネットショップの場合は商品を販売することが目的ですが、同じようにターゲットを明確にする必要があります。それによって写真やキャッチコピーなど見せ方が全く異なってくるためです。
そこでネットショップをデザインする際のポイントをいくつかご紹介します。
当事者意識を高める
例えば、餃子をネットショップで販売する場合です。餃子の写真撮影を行いイメージ画像を作成して掲載します。
A)餃子の写真を掲載
B)餃子とビールの写真を掲載
C)餃子と一家団欒の写真を掲載
どれも、とても見やすくきれいに作成されているとします。しかし、A)は皿にもられた餃子の写真をきれいに切り取って掲載しているだけで、ターゲットも何も考えずに作っています。
B)は晩酌のつまみとして訴求
C)は家族で楽しむ食事シーンを訴求
デザインは見た目だけが良くても意味がないと言われるのはこういう理由からです。A)は、綺麗に作成されていたとしても特に意味がありません。
同じ商品でもターゲットを明確にしてデザインすることでキャッチコピーもそれぞれ全く違うものになってきます。要は「あなたに関係性が高いものです」と訴求することが重要です。
テレビショッピングで有名な社長は、商品の機能や使い方を細かく説明するより、
その商品を購入することで、どんなに生活が楽しくなるか、どんな幸せが訪れるかをイメージさせるトークで知られています。確かに、聴いているとターゲットを明確にして話をされているのが良く分かり、とても参考になります。
ネットショップでも商品の利用シーンがイメージできることは大切です。
例えば、食品の場合では「食べる直前のイメージでシズル感を出す」、鞄であれば「かばんを持って街中を歩くモデル」などは基本です。
また、フリーサイズのアパレル商品の場合、身長が150cm、160cm、170cmの体格の異なる3人のモデルが着用した写真を掲載することで、ユーザーは自分が着用したイメージをすることができます。
ネットショップでは商品写真を工夫することを心がけましょう。
キャッチコピーの重要性
デザインする際には商品、写真、キャッチコピーなどの構成を考えますが、ECデザインではキャッチコピーは非常に重要な要素です。
こういうキャッチコピーを見たことがある方は多いと思います。
「レモン○○個分のビタミンC配合」
「○○大学の○○教授が監修」
「在庫わずか!ご注文はお早めに」
「お一人様1個のみ!」
「今話題の大人気商品!」
これらは一見ありきたりな表現ですが、実はそれぞれ心理学に基づいています。
例えば、「在庫わずか」「売り切れ」という文言はスノッブ効果を使っています。スノッブ効果とは、他人と同じものは嫌、他人とは違うものが欲しい、という心理のもと簡単に入手できないほど需要が増し、誰でも簡単に入手できるようになると需要が下がる効果のことをいいます。
ネットショップの場合では「在庫わずか」「売り切れ」と表記 →入手困難!? →購買意欲が向上
スノッブ効果の逆でバンドワゴン効果というものがあります。
「売上NO.1」「ランキングNO.1」「人気NO.1」などの表現はモール店舗でよく見かけるかと思いますが、まさにこれのことです。バンドワゴン効果とは、消費する人が多ければ多いほど、満足・安心感が増加する効果をいいます。
その他にもさまざまな心理的効果がありますので是非活用してみてください。
・シャルパンティエ効果
・シズル効果
・カクテルパーティ効果
・サブリミナル効果
・ハロー効果
デザイン(Design)には設計、立案という意味があるように、商品写真や効果的なキャッチコピーを考えることもWebデザインの一部です。
このようにネットショップをデザインする上では、まずターゲットを明確にしてから誰向けに何を訴求するかを考えることからはじめます。ターゲットによっては機能や特性ではなく、利用イメージを伝えてみる。いかにユーザーの心を鷲掴むか、刺さるデザインを徹底して考え効果検証・改善を行っていきます。
ライタープロフィール
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ECサイトの設計、マーケティング担当。
これまでに50サイト以上のECコンサルティングを手掛ける。
立ち上げから運用まで、デザイン、システムだけでなく、
広告のアドバイスも行う。
http://www.n-di.co.jp
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